Writer：gatti (@gatti_)
2015年、最も大きなトピックスはApple Musicの登場だ。いつでもどこでも聴きたい音楽が聴けるようになったのは革命的だった。そうはいうものの、”聴かされてる”感が強いなと感じるようにもなったのも事実で、「このアーティストもオススメ」、「イチから始めるHip Hop」…など、あらゆる（御節介な）情報が常に付きまとうようになり、正直鬱陶しく思うときもある。huluにしたってAmazon Primeのビデオにしたってそう、Line Musicなんかもそう。質はさておき、あんな量は一生消化しきれないのだ。その中から如何に良質なモノを選びとっていくのか、消費者側の負うところがより多くなった1年だといえる。
そんな1年を通して個人的に猛省したことは「聴き逃し」の多さだった。例えば毎年行っているこのRankingの作成にしたってそう。実は2016年になって初めて聴き、ねじ込んだ作品があるのだ。年々増えているこの聴き逃しについては、より多くのアンテナを張るとか、1日1曲でも多くディグに費やすとか、そういった表面的な問題ではないと感じている。
2016年のテーマは、雑食は止めず、より集中すること。より敏感になること。そうでありながらノイズに惑わされないように。
この記事を書いている今はもう5月（しかもGW最終日）。昨年以上にナマ音やバンドサウンド、ローファイな音に惹かれているのは、Alabama ShakesやHindsあたりのおかげなのだろう。今年はもう少し”Band”が元気になってくれることを願うばかりである。
The Best 10 Albums of 2015
10. Deerhunter / Fading Frontier
9. Tame Impala / Currents
8. Chvrches / Every Open Eye
7. The Libertines / Anthems For Doomed Youth
6. Carly Rae Jepsen / Emotion
5. Courtney Barnett / Sometimes I Sit and think, and Sometimes I Just Sit
4. Grimes / Art Angels
3. D’Angelo and The Vanguard / Black Messiah
2. Alabama Shakes / Sound & Color
~Album of The Year 2015~
1. Kendrick Lamar / To Pimp A Butterfly
まとめ
世界中でベストアルバムに挙げられていたKendrick Lamar、なんかそういうのに抗って外してしまおうかなどと0.2秒くらい浅いことを考えたけれど、全然無理でした。無理。それくらい圧倒的なアルバム。ブラックミュージックの全てが詰まっていて、且つ米国を取り巻くあれこれや、UKへの目配せも忘れない。もはや文句のつけようのないデキだと思います。
とはいえAlabama Shakesの新作の流れや受け取られ方はGrammy獲得時のArcade Fireに近しいものを感じたし、D’Angeloの復活作も前作にはやや及ばないかなと感じはしましたが、とても良いアルバムでした。この3枚は正直甲乙つけ難かったです。
それから地味に良かったのがCarlyの新作。ただのPop Princessではなくなってきてますよね。セールス的にはイマイチかもしれませんが、前作より明らかにアルバムとしての完成度は上だと思います。
そして忘れてはいけないのがLibertines。僕が世界で一番好きなバンドです。その補正を除いたって年間通してめっちゃ聴いたし、良い作品でした。そりゃ過去2枚には遠く及ばないけど。…うーむ、やっぱり補正かかってるか！
Deerhunterはまず間違いなく次の作品作られないですよねこれ。完全にお別れを告げられてる感。それもあってか心にじわーっと染み込んできます。
と、アルバムはそんな感じでした。どっちかというとIndieよりな選出になってますかね。歳を取るごとにHipHopを聴く頻度が増えてるような気がしますが、それは単純にHipHop界隈が元気で、しかもハイクオリティだからです。
前半総括でも書きましたが、今年はもっとBandが聴きたい。BandがBand dreamを見せてくれるくらい元気になってくれることを願います。
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