Right Thoughts, Right Words, Right Action / Franz Ferdinand

Franz Ferdinand

Franz Ferdinand
Right Thoughts, Right Words, Right Action

前回同様、某レコード店ポップやらフリペやらで使ったものをイジリまくりつつ、掲載♪

2000年代、UKのギターポップ・シーンの中心には常に彼らがいた。そう、2009年の”Tonight”以来、4年ぶりの新作をついに世に放つことと相成った、Franz Ferdinandである。
90年代のBrit Popとは全く違った立ち位置から彗星の如く現れ、新たなジャンルを確立し、数多の凡庸なフォロワーを生み出し(てしまっ)た彼らだが、それら凡百とどこが違うのか?その答えがここに示されている。

1st→2ndは正統進化といえるだろうが、問題作とされる3rdは別方向への挑戦であった。そこかしこにエレクトロを多用し、「ダンサブルでポップで!」という彼らの根本・源泉は揺らいでいなかったが、いわゆるギターポップの前2作とは色が違う作品となっていた。アルバム全体から漂う「夜の香り」も特徴的だったといえるだろう。

そんな3rdを経て、4年ぶりの本作。”どちらの”方向へ行くのか、というのは全世界が注目していたところであるが、結論からいうと1stや2ndに近い作品になっている。かといって決して後ろ向きな意味ではなく、”後ろ向きで前向き”なのである。あの2作の音を今の時代に合わせて鳴らすと、こうなるんだよ!と言わんばかりの王道Franzサウンドが響き渡っている。もちろん、3rdの主要素であったエレクトロもよい案配に散りばめられている。

そして、今のFranz。2004年の時より10個年を取ったFranz。あのアレックス・カプラノスもこの空白の期間に40を過ぎたのだ。それを最も如実に感じさせるのがラスト3曲。1曲目の”Right Action”であれだけアゲて、そこからノンストップで踊り続けさせたかと思いきや、後半はしっとりと落ち着いた雰囲気へと変わっていく。そして最後の曲のタイトルは”Goodbye Lovers&Friends”。。。うーん、実に…

この作品は、抵抗なくスーッと聴き通せる。そして最後の曲を聴き終えたときには、何とも言えない気分にさせられる。もちろん、ポジティブな意味で。
・・・自分の中で10曲を走り終えたあとの気分を表現するのに、非常にしっくりくる言葉がある。表現として正しいかは微妙なところだが、とにかくピッタリなように思うのだ。

賢者タイム。

体だけでなく心も揺さぶられるからこその感覚。なんとも気持ち良い。
Franzは11月に2年ぶりの来日が決まっており、そのLiveでも最後は”Goodbye〜”で締めるのか…もしそうなった際にはどんな気分で帰途に着くことになるのだろう。この作品を、彼らの現在と過去を、Liveで体験できるその日が、楽しみでならない。

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