【Apple】iPhone X、レビュー【ホームボタンなどいらなかった】

「One more thing…」

Appleが、そしてSteve Jobsが特別なとき、そして特別な発表をするときに使われていたこのフレーズ。7年ぶりか8年ぶりか、この言葉を最後に聞いたのはいつだったかハッキリ思い出せなかった。

9月のSpecial Event内でApple CEOのTim Cookも
「私たちはこのフレーズをとても大切にしているんだ。だから、これを軽率に使うことはしなかった(できなかった)」
と壇上で述べていた。Apple社の人々にとっても我々ファンにとっても、これは本当に重く特別なフレーズなのだ。

そして発表された新製品、「One more thing,,,」に続いてスクリーンに打ち出されたのは、これからの10年を象徴するものであった。

「The future of the Smartphone」

そんな”スマートフォンの未来”に触れてから「X(10)日間」が経ち、今僕が感じている使用感や長所短所を含めた実機レビューをお届けする。


iPhoneの再定義。未来のiPhone

「One more thing,,,」からの45分に及ぶプレゼンテーションは、前例に漏れず、やはり特別なものだった。

今はリークによってどうしたって先に情報が漏れてしまうので、昔のようなサプライズはなく、製品内容やスペックは全て前情報通りであったといえる。それでもこのワクワク感を味わえたのは久々だと思わされる素晴らしいプレゼンであったことに違いはない。

モノの方に話をうつしてみよう。

iPhone X。
イベント内では”プレミアムモデル”として「8」に続き紹介された同製品、「9」を飛ばしていることからも、正統なナンバリングからは一つ外れた製品といってよいだろう。

ちなみに僕はもう、シルエットや名前を見ただけで興奮していた。これは昔からのAppleファン、そしてジョブズファンならわかっていただけることであろう。

Iphonex jobs

上の画像は今回の発表のものではない。なんとSteve Jobsが10年前に初めてiPhoneを発表した際の画像なのである。
「iPhoneでは、OSXが動いているんだ」という当時の発言と、今回のiPhoneXの発表時の映像がダブって見えた。

そうして初見で心震え、強く心を動かされたこの製品。見た瞬間にiPhone8ではなく、こちらを買うことに決めた。
そして、発表から1ヶ月、予約時の戦い(前記事)を経て、ついにiPhoneXとの対面を果たすことができた。

開封の儀。ところどころ目を引く美しいデザイン

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箱については今まで通り。そして箱を開けてから一番に出てくるのもいつものセットだ。

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見ての通り、表は全身黒。ブラック系以外のカラーで表面がが全面黒、というのは初めてのこと。一瞬シルバーを選んだことを忘れてしまう。
「写真や動画が綺麗に見えるため黒ベゼルを選んでいた」という方も今回は選択肢が広がって良いのではないか。

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こちらが背面。発表時から思っていたことではあるが、実物を見るとシルバーというより、完全にホワイトに見える。実際、僕がシルバーを選んだのはホワイトに近いから。iPodといえば、やっぱり白なのだ。

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サイドは鏡面仕上げ。Apple Watchと同じくステンレススチール製だ。カメラを構えている自分の姿が思い切り映り込んでしまうくらいに、綺麗に鏡としての役割を果たして(しまって)いる。

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ここからは過去作との比較を。
まずは直前まで使っていたiPhone7 Plusジェットブラックと並べてみた。史上最高に美しいブラックと並べるとiPhone Xのホワイトもさらに際立つ。また、そのサイズもこのように並べてみるとだいぶコンパクトなことがわかる。

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ちなみにそのコンパクトさはiPhone6と比べても大差がない。手にするとわかるが、iPhone Xは本当にコンパクトなのだ。

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さらに古いiPhoneたちと並べてみた。iPhone 4、5、6ときて、自分にとって一番ベストなサイズは結局iPhone6のサイズであった。これについてはiPhone6 Plusの次にiPhone6Sでサイズを戻した時にも触れていたと思う。

しかしながらiPhone7ではディスプレイサイズの物足りなさから、5.5インチのPlusに戻した。つまり、僕にとってiPhone Xは、ベストなハードのサイズと、ベストなディスプレイのサイズを兼ね備えた理想型といえるものなのだ。

さらに進化するディスプレイ。ついに有機ELディスプレイ時代へ

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ディスプレイはベゼルレスのフルディスプレイと言われているが、ご覧の通り上部には「センサーハウジング」と呼ばれる部分が存在するため、厳密にはフルディスプレイではない。

巷では「M字ハゲ」などと揶揄する方も一定数いるようだが、使っている側からすれば正直全く気にならない。むしろ止め処なく進行する自分のM字ハゲの方がよっぽど気になるくらいだ。

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ディスプレイは従来のRetinaディスプレイからさらに進化した、Super Retina ディスプレイが採用されている。これはいわゆる「有機ELディスプレイ」のことで、OELDテレビをご覧になったことがある方ならば、あの感動が手の平サイズで味わえると考えるだけでもワクワクするのではないだろうか。

また、iPhone XのディスプレイサイズはiPhone史上最高の5.8インチとなっており、これはiPhone8の4.7インチ、8Plusの5.5インチと比べても大きいものだ。インターネットWebブラウザの閲覧時はもちろん、TwitterやInstagramでも表示される情報量は多くなった。

iPhone Xの”長所”と”短所”

iPhoneXを購入してから10日。
ここからは僕が感じた長所と短所をそれぞれ挙げていこう。

◆Good!!
・背面ガラスパネルが美しい
・側面ステンレススチールも美しい
・ディスプレイが大きく、極めて美しい
・挙動が早い
・もはやデジカメレベルのカメラ
・「手前に傾けるとスリープ解除」からのFaceID

◆背面ガラスパネルが美しい
◆側面ステンレススチールも美しい

まずはデザイン面。今回初採用された背面ガラスパネル、これは手に取るとその美しさに見惚れてしまうレベルに美しい。そしてこれが思いの外、手に馴染むのだ。

側面のステンレススチールも同様だ。iPodやiPhone3GSと同じで”これぞApple”というなんともいえない感動に包まれる。長く使っている方であればあるほどそう思うのではないだろうか。

◆ディスプレイが大きく、極めて美しい
続いてディスプレイ。これはもう文句なく美しい。iPhone4のときに初めてRetina Displayを見た感覚と比較すると、さすがに感動の度合いは落ちると言えるが、これはこれで十分素晴らしい。
直前まで使っていたiPhone7と比べてもハッキリ色鮮やかになっており、彩度の面でだいぶ進化したと感じる。

また、先に触れた通り「情報量の多さ」や「コンテンツ表示数の多さ」は無印との比較ならば圧勝、そしてPlusにも勝っている。コンパクトなサイズを維持しながら、同時にこの情報量の多さを獲得したのはiPhone Xの大きな魅力といえるだろう。個人的にはここ、ディスプレイが一番の魅力だと思っている。

◆挙動が早い
A11チップは実に優秀だ。どのアプリを使用しても全くストレスを感じないほどキビキビ動いている。この部分については正直iPhone7使用時も不満はなかったのだが、アプリによってはさらに軽くなったと感じる。この早さに慣れるたび、もう元の機種には戻れなくなってしまうのだろう。

また、基本的にiOSのアプリは最新の機種を基準に作られるため、ポジティブにいえばこれは未来への投資ともいえるのだ。

◆デジカメレベルのカメラを搭載している
静画はもちろん、動画も光学手ブレ補正つき、さらに望遠レンズにも初めて光学手ブレ補正がついた。これにより7Plusから搭載された「ポートレートモード」もさらに進化した。

そのほか、暗所での撮影にも強くなっていたり、有機ELディスプレイを活かしてさらに色鮮やかになったりと、もはや安いデジカメでは太刀打ちできないレベルにまで達している。

◆「手前に傾けるとスリープ解除」からのFaceIDが超便利
これの便利さ加減がすごい。iOS10から搭載された機能なのだが、これまではいらない時に立ち上がってしまい、無駄に電池を消費することから機能をOFFにしていたが、FaceIDと組み合わせると効果が10倍増しくらいになるのだ。
むしろFaceIDはこれを前提に作られたのではないかとすら思う。ホームボタンや電源ボタンを押さずに一発でスリープ解除できる感動は、やってみたものにしか味わうことができない。これは神機能だ。

と、長所をまとめるとこんなところだろうか。
続いて短所をまとめる。

◆Bad!!
・指紋がつきやすい
・意外と重い
・ステンレススチールは傷つきやすい
・修理費用が高い
・タスクキルがめんどくさい
・FaceIDがストレス

◆指紋がつきやすい
僕は基本的に乾燥肌なのであまりベタベタ指紋がつくことはないのだが、手が常に潤っている人や汗っかきの人が触るとベタベタになる。これはたとえば店頭の展示機(ホットモック)を触れば一目瞭然だろう。
ジェットブラックなどと同様で、ここ最近のアルミ製のものと比べると非常に指紋が目立つといえる。

◆意外と重い
欠点というほどの欠点でもないのだが、手にすると意外に重いのだ。無印よりどちらかといえばPlusを持っているかのようなズッシリ感がある。
気になったので、過去のiPhoneと比較をしてみた。

IPhone重さ

まず厚さの面でもここ最近のiPhoneの中で最も厚いものであることがわかる。さらに重さでみるとなんと、iPhone 6Plusより微妙に重いらしい。これは重く感じてしまうのも無理はない。
ちなみにここでは関係ないが、8Plusは200グラムの大台を超えており、手にすると重ッ!と感じる方がさらに多そうだ。僕もiPhone8Plusを実際に持ってみた際にはNintendo 3DSを持ったときの感覚に近しいものを感じた。

◆ステンレススチールは傷つきやすい
続いて、キズのこと。
ステンレススチールはとても美しい反面、とても傷つきやすいのだ。背面のガラス面についてはそれほど心配していないが、側面についてはそれこそガラスのハートのように傷つきやすいのでかなり気にしている。これについては根拠のない予測ではなく、Apple Watchで経験しているので、間違いない。

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若干見辛いかもしれないが、ご覧の通り無数の傷がついている。これはどんなに気をつけていてもついてしまうものである。「味がある」といえば聞こえがよいが、傷が気になる人はきちんとケースに入れて使用する必要があるだろう。

◆修理費用が高い
iPhoneXは修理費用がバカ高い。
ガラスパネルを採用している背面、そして有機ELディスプレイを使用している表面、どちらが壊れてもこれまでとは一段も二段も違うレベルの修理費用がかかってしまう。

これまで僕は一度もApple Careに加入したことがなかったが、さすがに今回ばかりは真剣に悩んでいる。とはいえiPhone XはApple Careまで高くなっているので、やはり真剣に悩む必要がありそうだ。
※Apple CareにはiPhone購入後1ヶ月以内であればいつでも加入できる。

◆タスクキルがめんどくさい
これはハッキリ面倒になった。
まずマルチタスク画面を起動するための方法だが、「ホームボタンをダブルクリック」から「画面下部を長押しして上にスワイプし、途中で止める」に変わった。

さらにここからアプリを終了するには「上にスワイプ」というワンタッチ・ワンアクションから「アプリを選択して長押し、マイナスが表示されてから上にスワイプ、またはマイナスをタップ」へと変わった。
文字にするだけでも面倒だが、実際にやってみるとさらにこの手順が煩わしく感じる。ここはアップデートでなんとかならないものだろうか…

◆FaceIDがストレス
FaceIDはこれまでの指紋認証を進化させたiPhone Xの最大のウリであり、スマホの未来と言われる所以はここにある。

しかしながら、これをいってはお終いだと承知の上であえて書くが、Face IDがかなりストレスなのだ。
その理由は3つ。

1つ目が寝ているとき(ベッドに横になっているとき)に認証されないこと。僕は寝る直前までiPhoneを触っているのだが、横向きでも仰向けでも、FaceIDは全く鍵を開けてくれない。そのため、ベッドではいちいちパスコードを入力しなければならず、極めてめんどくさい。ちなみにこれは寝起きでも同様だ。

2つ目が、単純にたまに認識されないこと。これは自身の問題もあるのだが、僕は「ド近眼」であるため、ものすごく度が強いメガネをかけており、コンタクト脱着時やメガネの脱着時にたまに認識されないことがある。これはストレス以外の何物でもない。

3つ目は指紋認証と比べて遅いこと。TouchIDは5Sと6に搭載されていた第1世代から、iPhone6S以降においては第2世代に進化した。この際に認証速度が2倍になり、ほぼロック画面が見えないほどの爆速になった。

そしてiPhone XのFace IDは速度でいえばその第1世代のTouch IDの方に近しい。慣れとは恐ろしいもので、今はこのコンマ数秒が非常に煩わしく感じるのだ。さらにスワイプという一手間も加わったため、起動時には正直ストレスを感じている。これは大きな欠点だ。

こうやってみると、欠点もそれなりに多いなと感じてしまう。

◆まとめ:スマホの未来、iPhoneの未来への礎

ここまで、iPhone Xのデザインレビューから、良いところ・悪いところまでをまとめてきた。
改めて記事を読み返してみると、どちらかといえば欠点の方が厚くなってしまっているように見える。それもそのはず、なぜなら僕は正直iPhone Xを手放しで他人に薦めようとは思えていないからだ。

iPhone7を手にしたときに「これまでのiPhoneの集大成」と感じたことは確かだし、正直不満も全く感じていなかった。iPhone8はこれをさらに突き詰めた製品であり、「10年の集大成」といえば先に発売されたiPhone8であるのだろう。

それと比べればiPhone Xはまだ未熟だ。FaceIDはまだまだ進化の余地を残しているし、Macbook Proに搭載されたTouchBarと同様で、”β版”のようなものであると感じる。ディスプレイもそう、センサーハウジングがさらに目立たなくなり、本当の意味でのフルディスプレイが実現されるのはもう少し先のことかもしれない。

しかしながらiPhoneXが未来への礎となり得る可能性は大いに感じるし、これが今後10年を占う製品の基であることは間違いない。

いずれ我々ユーザー側がこの新しい型のiPhoneにフィットしたときに、初めて我々は未来を手にすることができるのだろう。そしてその未来はそう遠くないことかもしれない。

その時が来るまで、僕はiPhoneXを片手に未来気分を先取りしながら待っていようと思う。

Writer:gatti(2017.11.13)

【追記】結局iPhone XとiPhone8、どっちがオススメなの?

散々質問されてきた問い、この記事をUPしてからまたさらにいただいてしまったので、僕の中の結論を話しておく。

まず、仮に自分が携帯を失くしたとして、新しく携帯を買うとするならばどれを買うか?
それは間違いなくiPhone Xであると断言できる。

一つはディスプレイ。このSuper Retinaディスプレイは実際に見てみると、想像以上に綺麗なのだ。これはiPhone史上最も綺麗であることは間違いないが、それどころか市場に出回る全スマートフォンの中でも一番か、それに近いものであるとすら思っている。
これほどまでに過去に撮った写真を何度も見返し、眺めてしまうことなど全くなかった。実に素晴らしいユーザーエクスペリエンスを与えてもらっている。

また、iPhone8は自分の中では必要十分ではあるけれど、ワクワクさはもはやない、ということもある。要は、ホームボタンがあってサイドボタンがあってTouchIDがあって…というこれまでの集大成的な素晴らしい製品で、それ自体に何ら不満がないこと。これが逆に普通すぎて新鮮味が失くなってしまっているのだ。

ホームボタンがなくなり、スワイプ操作に慣れた今、むしろ業務端末として使っているiPhone6Sの「ホームボタンが邪魔!」と感じてしまうくらいである。慣れとは怖いもので、本当に全く不要のものとなってしまった。

僕のようなアーリーアダプターは常に刺激を求めているし、その意味でこのAppleの今持てる最新技術の全てを注ぎ込んだこのiPhone Xは極めて魅力的な劇薬なのだ。

実際、この長いレビューの中で酸いも甘いも書き連ねてきたが、毎日の生活がiPhone Xによって楽しく、そして豊かになったことは間違いない。その意味で、僕が今どれを買うかと聞かれたら「iPhone X一択!」と答えるだろう。

〜結論〜
iPhoneに対して安定感を求めるならばiPhone 8
刺激や冒険を求めるなら少し高いお金を払ってでもiPhone X

多少なりとも迷っている方々の一助になれば幸いである。

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某人材会社のWeb・広報担当。Blog歴14年。
Blogがきっかけで頂くようになった”文章屋”としてのお仕事は9年目に突入。
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